第19回特別セミナー

第19回特別セミナー 多種多様~個性が切り拓く新しい未来~

2026年2月12日(木)~13日(金) 場所 アクロス福岡(イベントホール)

情勢報告

講演:「ニューロダイバシティーの視点からこれからの保育を考える」

講師:村中直人氏 臨床心理士、公認会計士

パネルディスカッション:「個性が切り拓く新しい未来へ」

パネリスト 帯田英児氏 岩渕善道氏

特別講演:「ちがいに出会う」 講師:ベビー・ヴァギー氏

 

1.「揃える」から「違いから始める」へ

これまでの集団保育では、「一斉」「足並みを揃える」ことが重視される場面も少なくありませんでした。しかし本セミナーでは、

「今本当に大切なのは、『揃えること』ではなく、『違いから始めること』ではないか」

というメッセージが示されました。

多様な家庭環境や価値観の中で育つ子どもたち、そして多様な背景を持つ職員が集う園という組織において、違いを修正対象とするのではなく、出発点として捉える視点の重要性が強調されました。

これは保育の原点を見つめ直す機会であると同時に、組織運営の在り方にも関わる示唆を含んでいました。


2.ニューロダイバーシティという視点

臨床心理士・公認心理師による講演では、「ニューロダイバーシティ(脳の多様性)」という概念が紹介されました。

これまで、脳や神経の働き方の違いは「課題」や「克服すべきもの」と捉えられる傾向がありましたが、本講演では、それらを人間が本来持つ多様性の一つとして尊重する視点が示されました。

子どもを「平均」に近づけるのではなく、一人ひとりの特性に応じて環境を整えること。
そのような発想の転換が、保育の質を高めることにつながるとの提起は、大変示唆に富むものでした。


3.「ちがいに出会う」という体験

記念講演では、「ちがいに出会う」というテーマのもと、多様性について改めて考える時間が設けられました。

自分とは異なる価値観や背景を持つ存在と向き合うとき、私たちは無意識のうちに持っている前提や固定観念に気づかされます。

その違和感や戸惑いこそが、多様性理解の出発点であり、他者への想像力を育てる契機となることを学びました。

保育現場においても、子どもや保護者の多様な姿に出会う日々の中で、自身の「当たり前」を問い続ける姿勢の大切さを改めて感じました。


4.園の個性とこれからの経営

パネルディスカッションでは、園の個性や経営の在り方について議論がなされました。

園の個性は、一人のリーダーによって形成されるものではなく、多様な強みを持つ職員が力を発揮できる環境づくりや、地域・異業種との連携によって育まれるものであるという提言がありました。

多様性を受け入れることは、理念的な課題であると同時に、持続可能な組織運営にとっても重要な視点であると感じました。


まとめ

本セミナーを通じて、「違い」をどのように受け止めるかが、これからの保育の質を左右する重要な鍵であることを再認識いたしました。

違いを揃える対象とするのではなく、価値の源泉として捉えること。
そして、その違いに応じて環境や関わり方を柔軟に整えていくこと。

今回の学びを、日々の保育実践や組織づくりの中で具体化していくことが今後の課題です。
引き続き、学びを深めながら、より良い保育の実現に努めてまいります。